2022年6月
「 Beauty of the Earth 」
自然の力を稲光でイメージさせる背景に巨大なカマキリが凧に鍵をたらし落雷でネオンをONにする電気実験の風景、ダークな演出のなかにカラフルで力強いデザインのウエアを展開するニューヨークBERGDORF GOODMAN。
コロナから解放されて5番街のウインドウはリゾートムード一色になっているマンハッタン中心部で、バカンス気分は表現しつつも、地球環境や自然の力などのへの意識を呼び起こし異彩を放つウインドウ。(3m以上あるポストカードラックのカードはすべて空の写真)
2022年6月
「 Nostalgic Collage 」
レトロな壁紙やインテリアで表現するスポーツブランドのインショップ(NIKE)。ウエアも懐かしいボタニカルプリントが新鮮(ZIMMERMANN)。
レトロ柄の文字がパッチワークのように組み合わさったモダンなステートメントオブジェ(Nordstrom) 。
懐かしい×スポーツや、懐かしい×ラグジュアリーやモダンといった掛け合わせが、時代に新鮮に映っている。
2022年6月
「 VOYAGE to AFRICA 」
コロナの規制緩和とともに味わう3年ぶりの夏を、異国への旅をインスピレーションに、久しぶりの解放感を祝うムードのマンハッタン。
幾何学模様のプリミティブプリントやフレッシュな色使い、素朴なコットン素材で、アフリカンテイストな印象のウエアが多く、リゾーティー気分を盛り上げている。
2022年6月
「 Clientele Upscale 」
コロナ間にSaks 5th Avenue の新B1、1階、2階の3フロアのリニューアルが完成。
2階にコスメを移動し、1階はラグジュアリーブランドのバッグとアクセサリー、そして今までは商空間ではなかった地下1階に時計とジュエリーを新設し、店の1等地に高額商品を配置。
このリニューアルでは人生の友と呼んでいるジュエリーと時計に焦点をあて、ハイクラスでSaks 5thにしかないエクスクルーシブなセレクトやインターナショナルカスタマーラウンジを備え、世界からのラグジュアリーを求める高所得者の満足を促進する売り場づくりが目玉。
メインビルディング中央にできた未来的なエスカレーターで地下へのアクセスは良く、店のメインターゲットが明確に反映されたリニューアルである。
2022年6月
「 The Heart of Shoe York 」
Bloomingdal’s NY は今まで靴売り場をカジュアルとラグジュアリーフロアに分けて展開していたが、5階にスニーカーからデザイナーズブティックまでを1フロアにまとめ26,000sq.ft巨大な靴売り場を完成させた。
エスカレーターを境にゾーンを分け、カジュアルシューズではディスプレイにマネキンを多用し売り場に躍動感を与えている。その他巨大パンプスのアートや、壁面上部のオブジェもポップなものから、エレガントなものまで空間演出に凝り商品を引き立てている。
2022年6月
「 Nordstrom New York Flagship 」
メンズ館に引き続きレディス館を57丁目とブロードウェイの角にオープン。
全7フロア320,000sq.ft からなり、2ブロック東のバーグドーフの高級老舗感とは異なり、空間もVMDも親しみやすいミッドタウンの百貨店となっている。
レストランやカフェ、地下にはキッズコーナー、全館にわたって休憩場所もたくさんある居心地の良いフレンドリーな買い物の場となっている。
2021年9月
「SAMARITAINE」
LVMHグループが2021年パリ1区ポンヌフを見下ろす位置にオープンさせた百貨店SAMARITANEはホテル CHEVAL BLANC PARIS も隣接し新たなパリのランドマークとなっている。
複数の建物が連結された横長の館は、歴史的なアールヌーヴォー建造物からモダンなガラス外壁の建物までと外観も建物内も多面的な顔を持っている。それぞれの建物に吹き抜けがあり美しい建築ディティールとアート作品にあふれた空間で快適なサービスとショッピング体験ができる。
百貨店面積は2万㎡でさほど広くないがハイエンドなブランドからスーベニールまで、また地下には広いビューティーフロアを持ち、コンパクトながらも幅広いセレクトとなっている。
2021年9月
「LE BON MARCHE Hope & Happiness」
いつ訪れても期待を超える打ち出しがあり、お店に行くことは楽しいと感じさせてくれるLE BON MARCHE。
パンデミックのなかウインドウに商品は無く、ここでは「JOY・HAPPINESS・ LOVE ・HOPE」をステートメントに、手作りの花コサージュを用いてアーティストTHEBE MAGUMAGU氏チームによる南アフリカの女性と子供支援プロジェクトを打ち出していた。店内吹き抜けも無数の手作りコサージュの集合体でできたインスタレーションが癒しの空間になっていた。このコサージュは「ラッキーチャーム」として購入するかたちで寄付をし、希望を育む行動をしようというメッセージがこめられている。
1階のイベントコーナーでは外出や旅行が自由にできない今日、室内に植物を取り込んだり庭をプロの手でリノベーションしたりと、家で自然を感じるうるおい空間を提案していた。
物質的なアプローチより、本質や内面的な楽しさや快適性を表現していて奥深さを感じた。
2021年9月
「PRINTEMPS United towards the beautiful responsible」
プランタンでは、責任ある行動で社会と環境にポジティブに取り組む400ものブランドコミュニティーを作り、顧客が商品を買うことでエシカルでサスティナブルな行動参加になるよう、長期的にプラスの付加価値が加えられることに取り組んでいると語っている。
ナチュラルな再生ベントウッドをウエーブで表現したシンプルなウインドウと、店内では様々な場所にSDGsの目標12のアイコンをイメージしたPOPが付けられ、対応商品であることをアピールしていた。
Femme館7階では、循環型商品パラダイスというコンセプトで、ヴィンテージコレクション、アップサイクリングブランド、リフォームサービスなどの特設も展開していた。
1階ではクロエの特設コーナーがあり、週末にワークショップを設け修理からパーソナライズまでを行っていた。
2021年9月
「Galeries Lafyette [RE]STORE 」
この時期ギャラリーラファイエットは今年も引き続きGo for Good のレーベルでエシカル&サスティナブルな商品を強調していた。
大きく取り上げていたのが3階に常設した500㎡のリサイクル&アップサイクルコーナーである。
この [RE] STORE Galeries Lafyette は真に責任あるファッション研究所とし、顧客が商品を購入、販売、リサイクルし、学ぶことができるラボ的売場とし開発したとのこと。現在ここにふさわしい若いブランドのセレクションを展開している。
店の担当は「フランス人の30%が過去12カ月に中古品を購入しており、今後このムーブメントは継続する」と言い、販売する商品に責任をもち、再生可能にしていくことは百貨店の責任であると語っている。
2021年9月
「Galeries Lafyette LA CHAUSSURE 」
リニューアルされていた婦人靴売り場、ナチュラルな色合いと白を基調とした売場にゾーンを分けされ、VPでは岩をステージにしたファッションとのトータル表現がなされていた。
もっとも目を引いたのが、[ COLLECT REPAIR RECYCLE ] のエスカレーター横を全て使ったスニーカー修理、回収、リサイクルコーナーである。ここの壁には「もっともサスティナブルなスニーカーは今あなたが履いているものです」と書かれていて、リペアや再生を促すことでサスティナブルな行動をとろうというメッセージを伝えている。クラフトマンがガラス張り工房の中で丁寧に修理やアップサイクルしているのが見られる。
2021年9月
「MYSTICAL HEADS」
物語に登場しそうな女神や人物をモチーフにしていたり、博物館にある古代アート風であったりと陶器でできた頭部がメゾンで目を引いた。
オブジェから花瓶、ライティングスタンドなどがあり、ミステリアスさとカラフルなポップさが入り混じり、インパクト大で今までになく新しい。
2021年9月
「PRIMITIVE OBJECT」
古代の工芸品にインスピレーションを得た自然を賛美するような力強いデザインのオブジェ。
ショップでも展示会でも多く見られ、プロップやライザーとして使われ、自然との調和を持とうとしているエシカルな印象を与えている。
ナチュラルカラーでの展開が多かったが、中にはイエローやピンクといったカラフルでポップな印象での展開も見られた。
2021年9月
「ROUND EDGE」
メゾン&オブジェで「BEST OF MOM ( MAISON & OBJET AND MORE)」に選ばれていたアイテムの紹介。
角のない丸みが特徴であったり、規則的なウエーブ、ボリューム感のある形状が見られ、どこか子供の玩具のような印象もあり、安定感や安心感を与える洗練された新しいシンプルを感じた。
2021年9月
「RETRO COLLECTOR」
メゾン&ブジェでもショップでも目に留まった表現が、収集家が集めたようなこだわりアイテムの密集した演出である。
蚤の市で集めてきたようなレトロ感あるアイテムで構成されていて、特にガラスのジャーやボトル、香水瓶などの透明感のあるアイテムがコレクションされている様が美しい。
2019年9月
「Galeries Lafayette Champs-Elysées」
19年3月28日にシャンゼリゼ通りの中心に次世代をになうギャラリーラファイエットがオープン。 訪れた9月はバットマン80周年のイベントを開催中。入り口の巨大なバットマスクと吹き抜けに設置されたバットモービルがひときわ目を引いた。吹き抜け周りにはイベントのエクスクルーシブ商品販売があり、また様々なバットマンオマージュポイントもあり写真映えするスポットが満載だった。こうしたオスマン店とは異なるユニークなイベントやポップアップを短サイクルで開催しオリジナリティーと企画力でグループとして新たな顧客を獲得しようという試みが見える。 店内は6500㎡で地下含む4フロア、1階から3階の吹き抜けが自然に上の階へと誘導する。外光が入り解放感ある2階3階売場は大きなセレクトショップとして構成されているため箱ショップはなくラグジュアリーブランドからスニーカーセレクトまでが自由に楽しめる。 買い物はパーソナルスタイリストがフロアやアイテムに関係なく気軽に接客をしてくれ、さらにSNSを通じて「なんでも聞いて」と繋がりを持ちいつでもどこにでも商品をおくるから相談してねと接客してくれる。
2019年9月
「Galeries Lafayette Champs-Elysées FOOD COURT」
ギャラリーラファイエットシャンゼリゼの地下には、フードコートがあり多彩な国のイートインとパリ最古のパスティスリーStohrerのスイーツも食べられる。 免税コーナーもこのフロアにあり観光客にとっては憩いの場となっている。
2019年9月
「Galeries Lafayette Changeons de Mode」
ギャラリーラファイエットオスマンでは2018年に引き続き2019年9月もChangeons de mode/ファッションに改革をと題し、フェアートレードそしてサスティナブルな商品に独自の審査基準を設けそれをクリアした商品に「GO FOR GOOD」のオリジナルラベルを付け訴求販売。 スタイルとセンスがあり、持続可能な責任のある消費ができる商品提供を数100以上のブランドでポップアップと売場で展開。 ワークショップでは服のアップサイクルの仕方の開催もあり、リテイラーとしてより良い世の中にしていこうという企業姿勢が垣間見える。 2018年に比べると訴求方法はよりサスティナブルな方向、地味に見えるところが逆になにをやっているのだろうと目を引く。継続することで企業の姿勢を表し続けてほしい。
2019年9月
「LSo Punk Rive Gauche」
ル・ボン・マルシェでは70年代に流行ったロックスピリットを現代とかけあわせ、ファッション、ビューティー、フードで、「なによりも自由に自分を表現することが大切」とボンマルシェならではのパンキッシュな解釈でその姿勢を表現していた。 ポップアップも充実してMaria Tashのボディージュエリーや食ではミシュラン星をもつGullaume Sanchezがパンクをテーマにしたフードをレストランで提供しクッキングショーも開催。 一階のイベントコーナーではその場でオリジナル加工してくれるLouise Carmenのカスタマイズや各フロアでもここでしか体験できないエクスクルーシブコラボレーションが多く見られた。 ウインドウではドクターマーチンを履いたカラフルなキリンや店内VPではモヒカンヘアーやボディーピアスの動物をあしらったりして独創的な演出がイベントを楽しく盛り上げていた。
2019年9月
「L’Appartement Sézane Paris」
ネットショップからスタートし今ではファッション&ライフスタイルブランドとして話題のセザンヌ。今ではパリ、ロンドン、NYに店舗をもち、ボンマルシェにインショップを構えたり、セルフリッジェスでポップアップを展開したりと目に触れる機会も多くなっている。 人気の理由は商品のかわいらしさやレトロ感の上手な取り込みのセンスにもあるが、なによりもオーナーのMorgan Sezalory さんの人に対する優しさがネットでもリアルショップでも表れている点だとおもう。 店では入店制限で待つ人々に飲み物とお菓子を配るワゴンがあったり、スタッフが目をくばり子供連れを優先入店させたり、店内には見ても美しいハーブウオーターがあちらこちらにおいてあったりと優しい気くばりが随所にみられブランドの姿勢が見える。 サスティナビリティーやチャリティー活動にも力をそそぎ毎月新しチャリティーデザインアイテムDEMAINを創出しチャリティープログラムのTOMORROWに寄付がおこなわれている事も良くしられている。
「L’Appartement Sézane London」
2019年9月
「H&M HOME Regent St. London」
日本では未上陸のH&M HOME、ロンドンではウエストフィールドショッピングセンターなどにもありアジアでも拡大している。 価格はザラホームよりも若干お手頃で、大きくミニマルモダンとボヘミアンビンテージの切り口で、リビング、ダイニングキッチン、ベッド、バス、キッズ、アウトドア商品からなる。日本ではオンラインでのみの購入なのでそのコーディネイションが見られないのが残念であるが、ショップではコーナー毎のスタイルある品揃えであれもこれも一緒に買いたくなるような展開となっている。 ここロンドンでは入り口に切り花、1階にカフェもあり居心地の良いアットホームな雰囲気を出している。
2019年9月
「2019 Maison et Objet : New Sustainable」
2019年秋のメゾンオブジェは、今までも見られたサスティナブルな姿勢やアイテムがさらに進化した印象であった。 持続可能や環境問題への取り組みに楽しさポップさなどを加え、単にナチュラルやエコから脱したデザインで表現している取組が多くのブランドで見られた。(写真上) ナチュラルやプリミティブなインテリアが多く継続であったが素朴という感じから脱し洗練、繊細でポエティックな印象のブースが新鮮であった。(写真下)
2019年1月
「RH Chicago」
この建物はThree Arts Clubとして1914年シカゴに建設され2004年まで女性の芸術家たちのレジデンスとクラブとして使われていた。RHはこの歴史的建造物を再開発し2015年秋にレジデンシャルリテイル空間としてライフスタイルが体感できる館を作りだした。 5750㎡の5フロアからなる館は、中央にパティオがあり、各フロアはルームtoルーム方式の空間が広がり、大きな邸宅のようだ。 パティオは噴水のあるレストランになっていて、横ホールにはバーカウンターもあり、ここで買ったフードやドリンクは各階どこで食べてもよく全館がホテルのラウンジのようである。フロア構成は1階リビングダイニング、2階ベッド&バス、3階チャイルド&ティーン、4階モダン、5階ガーデンとなっている。1階を省く全フロアにデザインアトリエがあり家具のサイズオーダーからインテリアまで、世界に1つしかない自分のインテリアをクリエイトしてくれる。
2019年1月
「RH New York」
NYミートパッキングエリアに昨年秋オープンしたRHニューヨークは8300㎡の地下から屋上階まで6フロアから構成されたスタイルのあるインテリアとエクステリアの専門店である。 デザインアトリエでは豊富なインテリア素材が揃いサンプルを見ながらお客のニーズに応えてくれ、どの家具もサイズ対応している。スタイルが整った中でのカーテン、カーペット、木材からカーテンレールやバスルーム金具までの展示はセンスが光り、ベッドリネンやバスグッズも充実している。 ルーフトップレストランは人気のスポットでかなりの賑わいを見せていた、3階のバリスタバーの飲み物は店内どこで楽しんでも良く、ワインを飲みながら家具選びができる。
2018年9月
「2018 Maison et Objet : Natural & Crafts」
2018年秋のM&Oは題してBye-Bye Routine, Hello Surpriseでした。ルーティーンにはさようなら、驚きににこんにちはというキャッチコピーでした。 メゾンの運営チームは展示会場の新しレイアウトの試みや、大きなテーマとしてエコマインドやマインドフルネスのようなホリスティックイメージの打ち出しをしていた。 出展者の変化はナチュラル、プリミティブ、アフリカンテイストアレンジなどが多く見られ、全体にエコ・カラフルといった印象が強かった。
2018年9月
「Galeries Lafayette Changeons de Mode 2018」
ギャラリーラファイエットが「責任のある消費」というテーマで「GO FOR GOOD」を展開。9月の初旬ということで普通なら特定のブランドをフィーチャーしたり、この秋冬トレンドの打ち出しするところであるが、あえて環境保護、社会発展、地域産業振興を柱にファッションから食にいたるまでを展開し異色に見えた。 これからの時代に重要視するべくサスティナブルな物事を、ギャラリーラファイエットらしいスタイルとセンスで表現している様は現時点でどれだけの人に響くのかは分からないが、生産者、販売者、消費者も地球を守る責任のある行動をとらなくてはというメッセージが強く伝わる内容であった。
2018年9月
「Los Angeles Rive Gauche」
様々な都市をフィーチャーしてそのファッションや文化を伝え続けるボンマルシェ2018年秋はLAであった。100%LAメイドブランドが200以上投入され、ファッション、アクセサリー、ビューティー、食、リビングブランドが店内随所に展開されていた。イベントでは、ヨガクラス、スケートボードのパフォーマンス、タトゥースタジオが設けられていた。 LAの古着加工が特徴のラグジュアリーブランドのBlain Halvorson のMade Worn が US TOUR と名付けたインスタレーションコーナーを展開(写真左下)。インスタレーションは飛行船Zeppelin号が炎につつまれ、西部の荒野に不時着したような印象、その中でローリングストーンズやLed ZeppelinのロックTやジャンパー、ボンバージャケットが展開されていたのだが、その空間が舞台を見るような演出の完成度で圧倒された。
2018年9月
「Only French at Primptems Paris」
グルメ売場はここ数年パリ百貨店のギャラリーラファイエットやボンマルシェで改革が行われそれぞれに魅力的な場を提供してきている。プランタンではメンズ館にあたらしい吹き抜けとエスカレーターの設置に時間がかかっていたが18年にやっとグルメフロアも完成しお披露目となった。他との差別化としてプランタンでは「フランスを代表する食」をテーマに、ワイン、グロっサリー、スイーツ、パティスリー、生鮮品とイートインが併設されたブランドショップが並ぶところである。 ここに行けばフランスグルメを味わえ購入できる保証付きの場である。またグルメフロアををメンズ館7・8階と上層階に配置し、眺めのよい居心地よい食のフロアを誕生させている。 最近のパリやロンドンで行われているリノベーションでは、食、リビング、アパレルにいたってもこうした外光を活かした空間を積極的に取り入れていると感じる。ルーフトップレストランも多く出現し、都会でのアウトドアや自然の光は人々にとって訪れる重要な要素となっていうようである。
2017年9月
「MEN Feature・Paris Printemps L‘HOMME」
パリのプランタンオスマン店のメンズ館が春にリニューアルオープンし、メンズファッションの面積が広がり、レディス館とのアクセスも良くなることでファッション全体が充実した印象となった。この建物が大変身した最大のポイントは中央に位置するエスカレーター部分を吹き抜けとしたことで、上層階に自然と誘導される作りに構造が改革された点だとおもう。各フロアのインテリアもデザイナーが異なり見ごたえがありながらも奇をてらっていなく、上手にブランドの境界線をつくったり、通路に対しての訴求ポイントもバランス良くつくられている。MD面では昨年のボンマルシェのジーンズからさらに踏み込んだ、メイドインパリが可能となるリーバイスのオーダーデニムコーナーがあったり、ややレトロな印象の雑貨コーナーがフロアの中心にあったりと売り場編集やサービスにも一ひねりある作りになっている。
2017年9月
「MEN Feature・ARKET」
H&Mが新たに展開を行う、メンズ、ウイメンズ、キッズ、ホームのエッセンシャルウエアとカフェの業態ARKET1号店が8月末にロンドンのリジェントストリートにオープンした。1階にノルディックフードのあるカフェ、メンズウエアとホームグッズ、2階がウイメンズウエアとキッズウエアという構成で、それぞれのフロアに大型VPを設けて、サスティナビリティーやブランドの考えやミッションを伝えていた。メンズウエアを1階入り口にフィチャーすることで、ブランドのもつ装飾や無駄を省いたミニマルな印象を強調するのにも成功している。
2017年9月
「GREENFULNESS 」
日本ではすでに良くみかける多肉植物やドーム植物であるが、この秋パリとロンドンの百貨店に多くみられたのがファッションフロアの一角にポップアップのようにプランツのワゴンや売り場を設けていた展開である。これらの試みは売り場にきれいな空気感をもたらし、癒し効果と手に届く自然といった印象を与え、アパレルを販売するだけでなくお客様のライフスタイルへの変化や興味にも気配りをしているアピールが感じられた。リビングの展示会であるメゾンオブジェでも部屋に持ち込める温室やグリーナリーの新しい提案が多かった。
Paris Le Bon Marche
London Conran shop
London Liberty
Paris BHV
Maison et Objet
2017年9月
「Linear Lighting 」
リニア=線状のという意味である、この線を強調した照明器具や照明効果が新鮮に感じられた今シーズンであった。メゾンオブジェでも照明器具としてリニアデザインアイテムは多く見かけられ、最新のショップでもトリミングのように線状にライトを施したインテリアデザインが目立ちクリーンで今日的な印象を与えていた。
2017年9月
「Christian Dior, Couturier du Reve」
クリスチャンディオール創業70周年記念展がパリの装飾美術館で行われている。通常開催のファッション展の倍の面積3000㎡を使っての壮大なスケールでの展示である。300点以上のオートクチュールやジュエリー、アクセサリー小物、香水にデッサン、写真、生地とブランドの創業から今までのデザイナー達の個性、社会への影響からメゾンのクラフツマンシップのすばらしさと見ごたえのある展覧会である。また、毎年行われているこのファッション展のもう一つの見どころは、舞台演出家などを起用しての展示表現である。翌年ウインドウや店頭訴求のインスピレーションとなっていることも多いので機会があれば見られることをお勧めする。「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ展」2018年の1月7日まで。
2017年2月
「SEA WONDERLAND」
海をイメージさせる神秘的な表現が目立った2月末のNY。海底で魚が群れる不思議な空間にマネキンが立つバハマのリゾートを訴求するバーグドルフグッドマン。ラスティックで黄金時代の難破船を見つけたような神秘的なイメージを打ち出すアンソロポロジーのVPデザイン。ウエアはコーラルレッド、インディゴにフリルやラッフルでパワフルな印象。関連する店内の雑貨も異国のバザールのようで日常からの解放を感じさせてくれる。
2017年2月
「ATHLEISURE」
ユニオンスクエアからほど近い5th Ave.はアスレジャーショップの集合地帯といえる、またこのあたりは週末になればアスレジャーウエアに身をまとい近くのスタジオへ体のチューンアップに行く女性であふれている。Gap Inc.が展開する女性スポーツウエアのATHLETA(アスリータ)から、TORY BERCHが展開するTORY SPORT まで、大手から個性派まで様々なタイプがここでみられる。店内では無料のワークアウトクラスやアンバサダーによる提案もありソフト面も充実している。アスレジャー業態が急発展しているなか、それに伴いアクティブなスポーツを表現するマネキンの多彩な姿にも目を見張るものがある。
2017年2月
「Best Window design for NY Fashion Week 」
バーグドルフグッドマンのNYファッションウイークの打ち出しは、自らのスタイリストチームの思想とその世界観の訴求であった。スタイリスト達の提言は「自分の心が躍るものを選べ」「もはやルールはない自分が楽しくなるものを着るべき、でも場をわきまえて」「私のファッションにルールはない、すべて打ち破るの!」などファッションに対して解放されろという共通の助言にあふれていた。ウイットのあふれるウインドウ表現や店内に見られる丁寧な表現に一流と今日性を感じさせられた。
2016年9月
「DECORATIVE」
カラフルな柄×柄のコーディネイトやワッペンや刺繍を施したウエアは、ファッション小物の展示会プルミエールクラスで見かけたもの。パイナップルの形をしたワッペンが沢山ついたデニムジャケット等、可愛らしいモチーフがいくつも付いていてとてもデコラティブ。素材や柄のミックスデザインが今季トレンドだが、さらに加速しそうな予感。インテリアでも奇抜な色彩でパターン柄が多く展示されていた。配色も自由な発想で楽しんでいるが、きちんとまとまりのある形にコーディネイトされている。多くのアイテムやカルチャーが入り混じるミックス感が魅力的。目で楽しめる色使いと意外な組み合わせにこれからも注目したい。
2016年9月
「VISUAL PHOTOS」
メゾン・エ・オブジェで目に留まったのは、商品を引き立てるビジュアル写真。かなり大きく引き伸ばした大胆な画像をバックに商品を並べている。展示会場のような広い空間の中で遠くからでも視認性の高いアイキャッチは効果的。今までもよく目にする手法だが、一つのアイテムやイメージにフォーカスして使用しているブランドを今回は多く見受けられた。近くで見てほしい食器等のアイテムは来館者をまず近くへ引きつける方法が必要だと感じる。例えばスペースを大事にする家具とは違った方法で。多くの出展ブランドが隣り合わせに密集する中、素通りされてしまわないよう各々の方法でその世界観と空間作りに趣向を凝らしていた。
2016年9月
「PERSONALIZE」
パリの老舗百貨店ボンマルシェに注目のデニムコーナーが誕生。広くゆったりとしたスペースのフロアにデニム素材が多く並んでいる。様々なブランドのデニムが取り揃えられているのはもちろん、ミシンやロール状のデニム素材が目に付く。ここではジャケットやパンツ、スカート等デニム素材のアイテムにカスタマイズが可能。スパンコール、スタッズ、刺繍、ワッペン等を使い自分だけのオリジナルが手に入る。2時間程度で仕上がるので、併設のカフェでひと休みしても百貨店内で買い物するのもおすすめだそう。デニムは購入しても持ち込みでもOK。新しいデニムの可能性と、一人ひとりに対応してくれる特別感と満足度が魅力的である。
2016年9月
「COPPER&PINK GOLD」
トレンドの一つとして多くのブランドで扱われていたCOPPERアイテム。今年はピンクゴールドのカラーが新しく登場。洗練されたアイテムにピンクゴールドが加わり新しさが見てとれた。照明器具やインテリア小物を中心にCOPPERに新たなカラーバリエーションが増え奥行きのある印象に。インテリアの展示会メゾン・エ・オブジェではピンクゴールドに似せた、くすみピンク1色で空間を作っているブースが展開されていた。また、パリの百貨店ギャラリー・ラファイエットではバス・トイレタリーグッズコーナーにいち早くピンクゴールドが追加。百貨店ではインテリアコーナーにもトレンドを意識した商品セレクトでフロアの新鮮さを保っていた。
2016年9月
「Selfiridges London BODY STUDIO」
ロンドンの百貨店、セルフリッジズに世界最大規模の女性向けボディウエア専用売場「BODY STUDIO」がオープン。ランジェリー、水着、スポーツウェア、パジャマ、靴下、と部屋着などを販売。 約150のブランド、3万アイテムを3700平方メートルの売り場に揃えている。売り場には専任のアドバイザーが常駐し、予約制ボディウエア専門のパーソナルショッピングも開始。
流行のアスレジャーファッションとしても、しっかりとしたワークアウトにも対応している。「健康は内から始まる」というコンセプトでのカフェも併設。栄養価の高いバランスのよい食事も提供。今後の利用者の動きにも注目したいフロア。
2013年9月
「ハッピーアイテム」
2月のバレンタイン当日には、ニューヨーカーの男性が花束やスイーツを買い、手にしている様子を大勢見かけた。
日本では女性からチョコを渡す習慣だが、アメリカでは男性から女性へプレゼントをしているようだ。ハート型のチョコは見ているだけでも幸せな気分になるから不思議である。
様々なデザインで目を楽しませてくれて、つい足を止めてしまった。つい笑顔がでそうなスマイルクッキーやカップケーキ等心をくすぐるアイテムは確実にアイキャッチとなり、
店内に人を呼ぶハッピーアイテムとして大きな役割を果たしていた。
2013年9月
「BLUE&NATURAL」
百貨店のインテリアフロアやインテリアショップではトレンドである「ブルー」を使った世界観が多く見かけられた。
春らしくやわらかくナチュラルな雰囲気の色合いでまとまっていた。壁面にブルーをあしらったものから、テーブルセットがブルーのもの等多くみられた。
また、こちらもトレンドである「ナチュラルテイスト」。自然のものからインスパイアされたモノが目立つ。
木の生命力ある形をそのまま生かしたテーブルや、表面に凹凸のあるナチュラルテイストの花器等。どれも洗練されたモダンな雰囲気にまとまっていた。
2013年9月
「DOVER STREET MARKET NEWYORK」
昨年12月にオープンした、DOVER STREET MARKET NEW YORKはマンハッタンの住宅地キップス・ベイ地区に位置する美術大学の校舎をリノベーションした建物の中にある。
中に入るとインパクトのあるカラフルなアートタワーがある。様々なブランドを仕切る壁はないが、各々遊び心を持った空間に配置されている。
有機的な形状のトンネルの中を上ると、ネオンライトを使ったまた違ったスペースができている。階段の手すりも曲線を描いており、「曲線」や「有機的」な形状が目立った店内だった。
1階にはカフェも併設されていて、店内を行き交う人々が多くカジュアルな印象を感じた。
2013年9月
「モノトーンの非日常的な世界観」
ニューヨーク5番街にある百貨店サックス・フィフス・アベニューのメンズのフロアは、VPに船をモチーフにしていた。
白くペイントされた船が、ただ置かれることではなく浮遊しているように魅せているものや立てられていたり、日常的な物の置かれ方をしていない手法がとられていた。
レディスのフロアでは椅子がモチーフとなり、こちらもただ積み重ねるのではなく重なるように、天井まで引き上げらていた。単体の椅子がコマ撮りで宙に浮かんでいくような形が不思議なオブジェを作り上げていた。
どちらもモダンでスタイリッシュなムードでありながら、躍動感のある非日常的な世界観を醸し出していた。
2013年9月
「アーティスティック・カラフル」
ニューヨークでは見逃せない老舗百貨店バーグドルフ・グッドマンのウインドウは、アーティスティックな世界観でまとまっていた。
大小さまざまな綿玉が、勢いよくはじけたように壁全体に散りばめられていた。均等ではなく密集しているところもあり不規則に広がる様子がアーティスティックな雰囲気をだしている。
また、店内には白い壁にインパクトのあるペイントが広がっていた。ブラシで勢いよく即興的につけたようなカラフルな色彩は、まさにキャンバスに描かれたアートの世界を漂わせている。
マネキンの服の色が際立つ構成になっており、どちらも色をテーマとしたアートな装いに目を惹きつけられた。
2013年9月
「H&M HOME」
日本では未上陸のH&M HOMEがロンドン西部にある巨大ショッピングモールwestfield LONDONにオープン。
2012年に開催されたロンドン・オリンピック会場であるstartford駅のそばにあり、H&M店内のコーナーに広がる。
リビング・キッチンから寝具、リネン等独自のファッション性の高いデザインでラインナップ。
今季H&M HOMEのテーマのひとつ「URBAN WESTERN」は、シンプルモダンと自然からのインスパイアを受けたアニマル柄の融合で、秋の暖かなぬくもりを表現している。
キッチンワイプもアニマル柄で作られ、トレンドが随所に散りばめられている。
2013年9月
「シュールな世界観」
パリのボン・マルシェでは、ネックレス状に連なる大きな球体のオブジェが、点在するマネキンの空間を演出している。
アクセサリー売場リニューアルオープンのための告知、期待感を創出するデザインとなっている。一方同じくパリのギャラリー・ラファイエットの服飾雑貨を飾る演出も球体を使ったデザインを施している。
どこか似ているシュールな世界観は、シンプルなモチーフを使ったデザイン性の高い表現となっている。
2013年9月
「カラフル・巨大・ポップ」
巨大でポップな造形物が目立っていた、メゾン・エ・オブジェ。アニマル型を単色かつカラフルな色彩で魅せ、インパクトを持たせたモチーフが各所で見られた。
馬モチーフもトレンドのひとつ。他にはゾウ、サイ等も。壺やプランターまでも同じくカラフルで巨大なものが揃っていた。
大胆な表現の中にも細部までこだわっている描写が、リアリティを持ちながらもポップな印象を与えている。
2013年9月
「時空間」
パリにあるプランタンメンズ館のショーウインドウは、「LONDON MANIA」が開催中で、全館を通し各所ロンドン一色となっている。
特にウインドウの壁紙に注目したい。グラフィカルな柄が半分引きのばされたような模様として仕上がっている。
右手写真はメゾン・エ・オブジェのブースのひとつ、同じく引きのばされた柄でシンメトリックな空間に動きのある柄が新しさを感じさせる。
どちらもトレンドである「時の経過」、「時空間」を表現したような歪んだ構成が 目を引く2枚である。